まだ98試合も残しながら、ヤクルトの高田監督が事実上の辞任に追い込まれた。背景にはチームの深刻な打撃不振がある。
ヤクルトは今季、開幕から3カード連続で勝ち越し、一時は4年ぶりの単独首位に立つ好スタートを切った。デントナ、ガイエルの両外国人の好調が要因だった。ところが4月中旬の長期遠征中に、両外国人をはじめ打線が調子を落とすと、好投する投手を援護できない形で黒星を重ね、ずるずると後退。4月30日には最下位に落ちた。エースの石川が開幕から6連敗中で、いまだ勝てないことが投打の歯車のかみ合わなさを象徴する。
5月に入ってからは2日から6連敗、交流戦に入ってから9連敗と大型連敗を重ね、15カード連続で勝ち越しなし。22日のロッテ戦では20失点の大敗を喫した。チーム打率2割3分6厘、得点144(26日現在)はいずれも12球団最下位。球団は新外国人野手の獲得に乗り出し、23日にはOBで元打撃コーチの伊勢孝夫氏を打撃アドバイザーに招いたが、付け焼き刃の感は否めない。
昨季は3位とはいえ、勝率は5割未満だった。にもかかわらず、オフに行った大きな補強は阪神からフリーエージェント(FA)になった藤本ぐらい。2年目のデントナはともかく、今年4年目で好不調の波が激しいガイエルと2年契約を結ぶなど、補強に積極的だったとは言い難い。
高田監督の「昨年は故障者が多かったが、代わりの選手が活躍した。今年は(故障や不調の選手の)代わりの選手に結果が出なかった」という言葉が戦力の薄さを示す。フロントの責任も問われるべきだろう。【立松敏幸】

